磯釣り用の靴といっても様々ですが、今回はわたしのシチュエーションでの靴選びを紹介します。
渡船を使うような本格的な磯釣りには出掛けません。
よく行く磯場は神奈川県の江の島や小田原や真鶴あたりの小磯です。
ショアジギング・エギングなどルアー釣りや探り釣りなどを楽しんでいます。
こんな磯靴が欲しい
もっとも釣行頻度の高いのは江の島。
ここは観光地でもあり、有名な表磯・裏磯ともに、一般の観光客も多く、比較的ライトな磯との印象かもしれません。
しかし、定期的に水難事故も発生しており、基本的な磯釣り装備は必要だと考えます。
江の島での釣り人の足元はつぎのような印象です。
- スパイクブーツ50%
- ウェーダー10%
- その他40%
ウェーダーの多くはルアーマンでソールはおそらく、フェルトスパイク。
海水のせり上がりで足元が濡れてしまうことが着用理由でしょう。
江の島でスタンダードな長靴タイプのスパイクブーツでは、どうしても快適に感じられませんでした。
磯場のパターン
- 大きな濡れた岩
- 海苔や苔でツルツルの足場
- ゴロタ
- 足場は波を被ることがある
さらに、磯場まで1時間近く舗装路や階段を歩くのです。
わたしのベストチョイス
試行錯誤の結果、たどり着いたのが、滑り止めとして登山用のアイゼンを使うこと。
大きい爪により、通常のスパイクよりもグリップ力が強い。
靴に被せる形のため、滑りにくいだけでなく、好みの靴に装着することができます。
濡れても気にならないウォーターシューズとの組み合わせはわたしの欲求を高次元で満たしてくれました。
- 滑らない
- 濡れても不快ではない
- 磯場も道中も歩きやすい
磯釣り靴
磯靴としては、大きくソールの素材、機能と靴本体のふたつの要素があります。
ソール
安全性の観点では、ソールの素材、機能が最重要項目となります。
スパイク
靴底にピンを打ち込んであるスパイクシューズは磯釣りで最も一般的なソールのタイプです。
岩や海藻などの滑りやすい表面でもしっかりとしたグリップを提供します。
フェルトスパイクとともに以下のようなメーカーで取り扱いがあります。
- 釣り具メーカーダイワ・シマノ・がまかつ・マヅメ・プロックス
- 登山用品メーカーモンベル・カモン・ブラックダイヤモンド・スノーピーク
- アウトドア用品メーカーコールマン・ロゴス・キャプテンスタッグ・スノーピーク
- 作業用品メーカーワークマン・ウエアハウス・DCM・カインズ
注意点
一部のシチュエーションでは、フェルトスパイクと比較して、グリップが劣るケースがありえます。
また、スパイクピンは定期的なメンテンスが必要。
こちらはわたしが3シーズンほど使用したスパイクブーツですが、ゴムの劣化に伴いピンは半分以上、欠損しています。
フェルトスパイク
フェルトソールにスパイクを加えたものです。
濡れた平坦な岩の上に海苔や苔が生えているようなシチュエーションでは、抜群の威力を発揮します。
鮎足袋に使われることからも、そのような環境下での優位性がうかがえると思います。
注意点
万能とも思える一方、ピンが長過ぎるとフェルト面が接地しないため、スパイク自体の引っ掛かりは少なめです。
また、使用環境によってはフェルトの目が詰まってしまい、こうなるとピンの短さも相まり、かえって、滑りやすくなってしまいます。
ソールの耐久性も高いとは言えません。
これがわたしがフェルトスパイクを使わない理由です。
ゴム・EVA・ポリウレタンなど
これらは一般的なスニーカー用のソールの代表ですが、スパイクのないラジアル長靴も磯場においては安全が確保できない靴です。
日新ゴムのHyperVのように、調理場や市場などの滑りやすい状況でのグリップを強化するために設計されたソールも存在しますが、それでも、磯場に向いているとは言えません。
登山用アイゼン
登山用アイゼンは靴底に装着して雪や氷の上を歩く際に滑り止めとして使用する金属製の爪です。
基本的に登山用品であり、一般的に釣りでの使用という概念はないようですが、滑りやすい濡れた磯場でも強力なグリップを発揮します。
アイゼンを使えば、どのような靴でも滑り止め機能付きに早変わりします。
履きやすい靴の上に装備すれば、群を抜く快適さです。
靴本体
スニーカー
動きやすさは最高です。
しかし、滑り止めが必要な磯場での使用は厳しい。
ブーツ
いわゆる長靴タイプでくるぶし程度の水では濡れません。
私的には、長靴はグニャグニャで磯場までの道中が疲れやすく感じます。
ウェーディングシューズ
主に渓流で使用される入水前提の靴です。
ソールはほぼフェルトスパイクになります。
靴自体はしっかりとしており、基本的に重量感があります。
普通の靴屋さんでは扱っていないので、購入は釣具店などになるでしょう。
磯場でフェルトスパイクのグリップが不十分な際にアイゼンを被せるという使い方もできそうです。
ウォーターシューズ
水辺での使用が前提の乾きやすい靴でソールはスニーカーと同等のものが多いです。
わたしは江の島の磯場では、長靴タイプのスパイクブーツを避けますが、これには理由があります。
水が入ると抜けないデメリットがあるためです。
ここでの浸水は思ったより多く、非常に不快です。
結局のところ、濡れる前提で排水性の高い靴を履く方が不快感がないのです。
排水機能付きの靴にアイゼンを装着するのが、わたしのスタイルです。
スポーツ用品やアウトドア用品店などに置いてあると思いますが、それほど種類は多くないでしょう。
わたしが1軍で使っているのは、アマゾンで3千円ほどで購入したウォーターシューズです。
おそらく中華製ですが、つま先とかかとがしっかりと保護される上にアッパーはメッシュ素材で靴底からも水が排水される、なかなかの優れものです!!
真冬は釣りをしませんが、11~12月でもネオプレーン靴下との組み合わせで、寒いと感じたことはありません。
補足
ウェーダー
いわゆる胸元まで丈がある胴付き長靴です。
水に浸かるのが前提なので、ちょっとやそっとの水位では浸水しません。
多くがフェルトスパイクのソールなので、磯場でも使用できなくはないでしょう。
ただし、ウェーダーには注意すべき点があります。
ここでは詳しくは解説しませんが、転倒してしまうと、溜まった空気で足先が浮いたり、逆に水が入ってしまい、相当、体の自由度は奪われます。
波で足をすくわれてしまう可能性のある場所では、私的には着用したくないです。
ライフジャケット
磯場では、必ずライフジャケットを着用してください。
とくに発泡体の浮力材が入ったフローティングベストが最適です。
拡張式のコンパクトさは魅力なのですが、岩礁帯で波に引きずり込まれた場合、ライフジャケットの紐を適切に引けるかどうかは不確かです。
考えたくないことですが、頭を打って気を失う可能性や拡張した浮力材が岩礁で破損する危険性もあります。
安全で楽しい磯釣り!
わたしの実体験での磯靴のベストチョイスを紹介しました。
もう5~6シーズンはこのスタイルで釣行していますが、アイゼンを滑り止めとして使っている方は見たことがありません。
快適性は抜群なので、興味のある方はお試しください。
装備の考え方は最終的には自己判断ではありますが、磯釣りは安全第一です。
楽しい磯釣りライフをお送りください!